水曜日は夜。

航空旅行・キャンピングカー・ディズニー・医療

犬の心不全~犬と人間の医療の違い~①

先日うちのワンちゃんが入院しました

実は2週間ほど前から咳が増えてきて、

でも元気はあるもんだから風邪でもひいたかな?

と様子をみていたんです

 

数日前に、

さすがに元気がなく、

咳も目に見えて増え、

明らかに呼吸数が上昇したので

これはまずい!と思ったわけです

 夜だったので、

朝まで一緒に寝て付き添うことにしました

(恥ずかしながら、最近は夜間も診てくれる動物病院が増えてることを知らなかった)

 

一緒に寝る時は喜んで布団にもぐりこんで、

息が苦しくならないよう上手に鼻先だけ布団の外に出して寝るうちの犬

この日はちょっと布団に入ったものの、

すぐに出てきてそれ以降ほとんどお座りしていました。。。

 

これはいかん!

寝ると苦しいなら起座呼吸になってる!

これが本当に起座呼吸なら心不全になってる!

と思い翌日動物病院へ

 

問診表を見て駐車場まで獣医さん自ら迎えにきてくれたそうです

(雀は仕事だったので、後ろ髪引かれながら奥様にお願いしました)

 

先に酸素の部屋に入ってもらいますね

 

それから採血、レントゲン、超音波検査を経て

f:id:osce:20181212211232j:plain

入院承諾書

入院となりました。。。

 

仕事から帰宅して、

 

僧帽弁閉塞不全症

→人間では僧帽弁閉鎖不全症と言うけど、

まぁ意味一緒だしワンちゃんではこう言うのかな?

 

肺炎

→咳してたし白血球、CRPが上がってるから雀も肺炎な気がする!

 

急性心不全への移行

→リスクというより、もう急性心不全だよなぁ

今の咳は肺炎というより心不全の咳だよなぁ

でもワンちゃんと人間は違うだろうし、、、

 

なんて色々思いましたが、

(やな飼い主ですね。。。笑)

 

奥様の「対応がすごく良かった」の一言で、

信頼してお任せし、治ることを祈るのみ☆

 

はじめは1週間か、それ以上かかるかもと言われましたが、

驚異的な回復を見せてまさかの1泊入院で帰れることに!

 

本当に良かった~♪

 

医療のお話

人間の急性心不全の治療は、

日本の「急性心不全治療ガイドライン」なるものでは、

CS(クリニカルシナリオ)で5分類し、

強心薬(心臓がんばれ!とムチ打つ薬)は

CS3(血圧低い)・CS5(右心不全)に適応

利尿薬はCS2・CS5で限定的に適応があります

 

一方「Lancet 2017」では

まず利尿薬、血管拡張薬とあります

(Lancetは偉大な論文で、

日本の教科書や上記ガイドラインなどはとても太刀打ちできません)

 

ワンちゃんの血圧なんてど~やって測るんだろ~、

と思いますが、

強心薬+利尿薬という治療は人間の急性心不全ではかな~り稀な治療です

めっちゃ心配になりましたが、

ここはお医者様を信じるしかない!

(ワンちゃんと人間はちがうかもしれないし。。。)

(そもそも病院連れてくるのが遅かった雀が悪いだろ!)

などと考えてました。。。

 

今回うちのワンちゃんが起座呼吸となるまで急性心不全の徴候に気づけなかったのは、

浮腫(LR+2.1 LR-0.64)や体重増加(LR+1.0 LR-0.99)がなかったから

(そして雀の臨床能力が足りなかったから、、、)

 

起座呼吸を発症するまでに認めた徴候は

咳(LR+0.93 LR-1.0)、倦怠感(LR+1.0 LR-0.99)のみ

 

このLR+とかLR-ってなに?と思うでしょう

LR+は陽性尤度比といって、この症状があったら心不全ぽいってこと

1だと診断に全く影響なし、10を超えると心不全ぽい!!!ってことです

逆にLR-は陰性尤度比といって、この症状がないと心不全ぽくな~いってこと

1だと診断に全く影響なし、0.1だと心不全じゃなくね?となります

 

そー考えると、浮腫だとか咳だとか、

見つけてもあんまり役に立たないですねぇ。。。

 

そもそもこれは身体所見ですらない気が、、、

ちゃんと聴診したらもっと色々な所見があったかもしれません(:;)

 

ちなみに、一つ一つみるとさっき言ったようにあまり役にたたないと思っちゃいますが、

これらを組み合わせて診断にこぎ着けるのが内科医の腕の見せ所です!

今回は咳、倦怠感、呼吸困難感、起座呼吸の組み合わせで急性心不全にほぼ間違いなしと思って受診しました

(まぁ人間の診断基準ですが、、、)

 

そもそも浮腫がなかったり、

体重増加がなかったり(むしろ呼吸による疲労で体重減少してました、、、)、

今回は「心不全」だったんでしょう

 

でも心不全とアタリをつけたら大事なのはその理由

心不全はあくまで結果、と考えなければいけません

 

人間ではよく「心不全のFAILURE」なんて覚えます

今回はその中の「I」=感染 が誘因でした

咳をし出したころはあまり熱感がなく、

風邪(ウイルス性)かなぁ~と経過観察していたのがダメでしたね、、、

 

ほんと医者+飼い主失格です、、、

我慢強いワンちゃんで、

ギリギリになるまで頑張ってたし、

これまでも10年以上病院知らずだったのに甘えてました。。。

 

子供が増えたとはいえ、

長女はうちのワンちゃんで、

これまで全員の成長を産まれた瞬間から見守ってきてくれました☆

f:id:osce:20181212220715j:plain

 

嫉妬もせず、

つかず離れずで見守ってる感じ☆

時に遊び相手になり、

時にお菓子を奪うカモにしたり、、、笑

f:id:osce:20181212220819j:plain

上のヒヨコも

f:id:osce:20181212220841j:plain

下のヒヨコも


いつもそばにいるのがうちのワン

 

でもいつまでもそばにいるって思ってちゃいけないんだと、

思い知らされましたm(_ _)m

人間で言えばもうおばあちゃんですから!

 

他にも今回のことでたくさん思うことがあり、

大変勉強になりました!

長いから今日はここまで!

今日に続く!?!?

 

f:id:osce:20181212221218j:plain

私のことも見て~~~!